休み時間

高校生のときの話。 休み時間が苦手だった。 話をしたり一緒に過ごす相手がいなくて、だいたい一人でいた。 トモダチの輪に入って行けなかった。 5分か10分の休み時間が、とても長く感じた。 一人でいる、トモダチがいないことが、恥ずかしかった。 一人でいる姿を人に見られるのが恥ずかしかった。 トモダチがいないヤツと思われるのが恥ずかしくてたまらなかった。 今となってはずいぶん自意識過剰な話だと思うのだけれど、当時はそんな自分が、そんな自分を見られるのが恥ずかしくて仕方がなかった。 だから、休み時間は、席に座って、机の中を整理している、次の授業の教科書の準備をしているフリをしていた。 まるで、机の中に探し物があるんだけれど、どこかへしまいこんで行方がわからないかのようなフリをしていた。 そんな風にして過ごす休み時間は、長くて、苦痛だった。 いくら机の中を探しても、トモダチは見つからなかった。 いくら机の中を探しても、休み時間の過ごし方はわからなかった。 いくら机の中を探しても、好きなことや、楽しいこと、夢中になれることには出会えなかった。 もし、高校時代の自分に今、声がかけられるとしたら、 「君の探しているものは、机の中にはないよ。」 と伝えてあげたい。

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